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セミの季節,セミの謎 1

投稿日:2017-08-20 更新日:

セミ

大気の状態が不安定で雨や雷が多くなってきました.夏も盛りを過ぎて残暑と台風のシーズン直前です.

花は減りましたが,緑は青々と茂っています.そして,あたりはセミの大合唱.

アブラゼミにミンミンゼミが加わりました.誰でも知っているセミですが,謎の多い生物です.セミについてお話しします.

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セミは地域と時期によって種類が違いますが,私の住んでいる東京では8月になるとアブラゼミとミンミンゼミの大合唱が聞こえてきます.道のあちこちにはアブラゼミがひっくり返っています.時々網戸にとまってすごい音で鳴き出したりします.

アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata

体長5-6cmで不透明な褐色をしています.これは世界的に珍しく,普通は透明になっています.

通常は木にとまるが,都市部の公園等にも多く,様々なところにとまっています.

午後の日が傾きかけた時間帯によく鳴き,「ジジジジジ……」と鳴きます.

アブラゼミのデータ

目:カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目:ヨコバイ亜目(同翅亜目) Homoptera
上科:セミ上科 Cicadoidea
科:セミ科 Cicadidae
亜科:セミ亜科 Cicadinae
族:アブラゼミ族 Polyneurini
属:アブラゼミ属 Graptopsaltria
種:アブラゼミ G. nigrofuscata
学名:Graptopsaltria nigrofuscata(Motschulsky, 1866)
和名:アブラゼミ(油蝉)
英名:Large Brown Cicada

生息:日本(北海道から九州,屋久島)朝鮮半島,中国北部
生態:成虫はサクラ,ナシ,リンゴなどバラ科樹木に多く,成虫も幼虫もこれらの木に口吻を差しこんで樹液を吸います.
鳴き声:「ジー…」から「ジジジジジ…」または「ジリジリジリ…」大音量が15-20秒ほど続き「ジジジジジー…」で鳴き終わる.

夜鳴き:薄暗く湿度の比較的高い時間帯を好むため,夕刻に鳴きます.生息密度が高いと夜も鳴きます.

ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

体長3-4cmで体つきが丸く透明のハネは長いので,全長はアブラゼミと同じ位です.体には緑と黒のしま模様があります.

東日本では平地の森林に生息します.西日本ではやや標高が高い山地に生息しています.「ミーンミンミンミンミー……」と鳴きます.

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ミンミンゼミのデータ

目:カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目:ヨコバイ亜目(同翅亜目) Homoptera
上科:セミ上科 Cicadoidea
科:セミ科 Cicadidae
亜科:セミ亜科 Cicadinae
族:ミンミンゼミ族 Oncotympanini
属:ミンミンゼミ属 Hyalessa
種:ミンミンゼミ H. maculaticollis
学名:Hyalessa maculaticollis(Motschulsky, 1866)
シノニム:Oncotympana maculaticollis
和名:ミンミンゼミ

生息:北海道南部から九州,対馬,甑島(こしきしま)列島
,韓国,中国華北

日本のミンミンゼミは土地の気候条件によって分布する範囲が限定されています.気候に対する感度が強く,繊細なためです.

本来は森林に生息しますが,東京都心部,横浜市,仙台市などの中心にもいます.

これはミンミンゼミの幼虫が比較的乾燥した土を好み,成虫はケヤキやサクラなどの樹木を好むためです.乾燥土のある東京都心部や仙台市中心部の街路樹がケヤキ・サクラなどのため生息しています.暑過ぎず寒過ぎない環境が必要です.

アブラゼミVSミンミンゼミ

東京都23区の東部ではアブラゼミの比率が高く,都心から西部はミンミンゼミの割合が高いです.ところが近年東部でもミンミンゼミが増えて来ました.

同様に長野市街,仙台市街,山形市街ではアブラゼミが激減し,ミンミンゼミ比率が高くなってきました.

この様にアブラゼミとミンミンゼミの比率は日本各地で勢力争いが行われています.近年では単純に気候変動だけでは無いという考え方もあります.

また不思議なことに,ミンミンゼミとクマゼミの鳴き分けというのがあります.クマゼミがほぼ終息した頃にミンミンゼミの発生が始まります.

また,地域によってはクマゼミ・ミンミンゼミが午前中,アブラゼミが午後に鳴くなど棲み分けができているようです.

音を出すという事は当然相手も聞こえるので,多種と混ざらない配慮があるのかも知れません.また,鳴き方にも地域,国によって方言があるようです.

気候条件ばかりでなく,植生や土壌などの環境その他様々な要因でセミの勢力図が変わるのは不思議ですね.まだまだ不明なことが多い生物です.

今日はこれまで.ではまた.

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