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童謡と赤い鳥 創刊100年

投稿日:2018-05-11 更新日:


みかんの花咲く丘(童謡・唱歌)

誰でも知っている童謡(どうよう)ですが,童謡とは簡単に言うと子供向けの歌のことです.日本の子供たちは日本の童謡を何度も何度も聞かされていますので,記憶のどこかに残っています.大人になっても聞き覚えのある曲はたくさんあると思います.


七夕さま

江戸時代には童謡という言い方は無くて,「わらべ歌」と呼んでいました.明治時代から大正時代初期になって子供の歌という意味で,童謡と呼ばれ始めました.


日本の童謡 みどりのそよ風

一方,童謡より前から童曲というジャンルがあり,箏の手ほどき曲であった「さくらさくら」なども,わらべ歌では無いけれど子供向けの曲でした.


おお牧場はみどり (チェコ民謡)

大正時代頃まではピアノよりも箏の方が一般家庭に普及していたので,葛原しげる(作詞)宮城道雄(作曲)らの童曲は事実上童謡よりも早くから普及していました.

「ワンワンニャオニャオ」「チョコレート」「夜の大工さん」などは童曲で,童謡の第一号である「かなりや」より早くから知られていました.


ピクニック

誰もが知っている童謡ですが,童謡を厳密に定義すると,「日本において大正時代後期以降,子供に歌われることを目的に作られた創作歌曲(そうさくどうよう)」ということになっています.


山の音楽家

従いまして,学校教育用に創作された「唱歌」や,自然発生的に作られた「わらべ歌(自然童謡,伝承童謡)」は厳密にいうと童謡ではなくなります.


【童謡】手のひらを太陽に ~Nursery rhyme♪~

鈴木三重吉は童謡というジャンルに「子供に向けて創作された芸術的香気の高い歌謡」という新しい意味付けをました.大人が子供に向けて創作した芸術味豊かな歌謡(=創作童謡,文学童謡)という位置づけになります.


証城寺のたぬきばやし

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今からちょうど100年前の1918年7月1日,鈴木三重吉が創刊した童話と童謡の児童雑誌「赤い鳥(あかいとり)」が童謡を大きく進展させました.当初,雑誌に旋律は付いていませんでした.


童謡 かなりや

11月号に掲載された西條八十の童謡詩「かなりや」が掲載されました.翌年の1919年(大正8年)5月号で「かなりや」に対して成田為三作曲の楽譜が付けられて掲載されました。これが創作童謡の第一号と言われています.


かなりや 作詞 西條八十/作曲 成田為三

鈴木三重吉の目から見ると,政府が主導する唱歌や説話は低級で愚かに見えました.子供の純性を育むための話・歌を創作し,世に広めることが大事という運動を宣言し,「赤い鳥」創刊したわけです.

創刊号には芥川龍之介,有島武郎,泉鏡花,北原白秋,高浜虚子,徳田秋声らが賛同の意を表明しています.表紙絵は清水良雄が描きました.

その後菊池寛,西條八十,谷崎潤一郎,三木露風らが作品を寄稿しました.この運動は「赤い鳥運動」と呼ばれるようになりました.

赤い鳥
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E9%B3%A5


(北原白秋作品・二曲) 童謡 りす りす こりす,ゆりかごのうた

赤い鳥の主な掲載作品
童話
「蜘蛛の糸」「杜子春」「犬と笛」「魔術」「アグニの神」(芥川龍之介)
「一房の葡萄」(有島武郎)
「お馬」「ぽっぽのお手帳」(鈴木三重吉)
「ごん狐」(新美南吉)

童謡
「からたちの花」(北原白秋)
「かなりや」(西條八十)


からたちの花 安田祥子 (歌詞付き) 唱歌

童謡には,歴史と由縁があるのですね.


【♪うた】夕焼け小焼け – Yuyake Koyake|♬ゆうやけ こやけで ひがくれて やまのおてらの かねがなる♫【日本の童謡・唱歌 / Japanese Children’s Song】

現在では,童謡 =子供の歌,としてとらえ,唱歌,わらべ歌,抒情歌,さらにテレビ・アニメの主題歌など全ての子供の歌をさすことが主流になっています.

個人的には,こどもたちが楽しめて,大人になっても懐かしく思えればそれで良いのでは,と思います.


童謡  ぐっとばい

今日はこれまで.ではまた.

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