山河海空 地球を巡る水の旅

地球から日常生活まで,独自の視点で考える

自然 科学 技術

トウガラシ,ピーマン,パプリカについて

投稿日:2017-06-26 更新日:

トウガラシ

トウガラシ

山本紀夫著 トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」 中公新書という本があります.この本では植物学と民俗学の専門家がトウガラシの貴重性を様々角度からみています.

ピーマン,パプリカは形から察せられる様にトウガラシの仲間です.人類が辛くないトウガラシを開発してできたものです.子供に人気の無い野菜の代表でもあるピーマン,パプリカが開発されたのはなぜでしょうか?

まずはトウガラシから見ていきます.トウガラシはコロンブスのアメリカ大陸(実はカリブ海の西インド諸島)がきっかけでヨーロッパに広まります.

黄金を夢見てアメリカ発見に至ったのですが,黄金は見つからず,その代わりキャッサバ,ヒョウタン,タバコ,トウモロコシ,サツマイモ,トウガラシ,ワタ,カボチャを持ち帰りました.今では黄金以上の価値を持ち帰った訳ですが,当時はただ珍しく価値がありそうという程度だったと思います.

スポンサード リンク

トウガラシについてはコロンブス自身が「アヒー」という現地名でコショウに代わる可能性のある香辛料として報告しています.

コロンブスがアメリカを発見する頃,アヒー(トウガラシ)はすでに西インド諸島,中米,アンデスでも利用されていたとのこと.考古学的証拠としてはペルー中部で紀元前8000-7500の遺跡で見つかっています.

さて,日本とトウガラシの関係に移ります.トウガラシがヨーロッパに伝わり,わずか50年後にポルトガル人によって日本に1542年または1552年に伝わったという説があります.あるいは秀吉の朝鮮出兵時に入ってきたという説もあります.

いずれにしても安土桃山時代には伝来し江戸時代には盛んに利用されていました.

スポンサード リンク
トウガラシの花

トウガラシの花

トウガラシデータ

科:ナス科 Solanaceae
属:トウガラシ属 Capsicum
種:トウガラシ C. annuum
学名:Capsicum annuum L.
和名:トウガラシ、唐辛子、蕃椒
英名:chile pepper, sweet pepper

開花:7-9月ごろに白い花
特徴:上向きに緑色で内部に空洞のある細長い5cmほどの実がなる(トウガラシ).果実は熟すると赤くなる.色づくと黄色や紫色になるものもある.辛味成分カプサイシンは種子の付く胎座に最も多く含まれる.

トウガラシが新大陸で発見されてから急速に世界に広まったのは当時ものすごく利用価値が高かったからだと考えられます.

香辛料の代表であるコショウが大航海時代の動機となったくらいですから,ビタミンCが豊富に含まれている香辛料は画期的だったと考えられます.また,ビタミンE, A, Kも含有量が多くビタミンのカタマリとも言えます.

トウガラシは辛いので香辛料としては最適ですが,ビタミン補給源としては大量に食べ難いという欠点があるので,これが辛くないトウガラシの開発へつながります.次回はピーマン,パプリカに焦点を当てます.

以上内容の参考文献は冒頭に紹介した,山本紀夫著「トウガラシの世界史」です.トウガラシに造詣の深い著者がトウガラシについて深い内容を紹介している本です.

今日はこれまで.ではまた.

スポンサード リンク

-自然 科学 技術
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

台風12号通過と7月28日の皆既月食

台風12号は大きく左旋回して伊豆半島南部を通過,近畿中国方面に向かっています(28日夜).東京は一時的に強い雨と風が吹いていますが,思ったほどに酷くはありませんでした.29日朝には関西付近ですので,注 …

今,読書中の本: 植物学名入門 L.H.ベイリー

今,読んでいる本の中で,後まで心に残りそうな部分を紹介します. 書名:植物学名入門 著者:L.Hベイリー 出版社:八坂書房 古典的良書です.本書植物学命名法の古典的入門書です.著者は米国の植物学者,園 …

研究

植物名とラテン語 カタカナでの読み方

スポンサード リンク 以前から知りたいと思っていたことの一つに,ラテン語の発音があります.植物の学名がラテン語になっていますが,どのように読んで良いのかわかりません. 読めなければ,覚えるのが難しくな …

コーヒー

コーヒーとカフェイン

先週はコーヒーの「美味しさ」や香りの素となるアロマについてお話しましたが,コーヒーと言えばカフェインがもう一つの主役です.今日はカフェインのお話です. スポンサード リンク カフェインと言えば「眠気覚 …

日本の硬貨とその金属

スポンサード リンク 日本で生活する限り必ず使うのはお金ですが,紙幣と硬貨があります.硬貨のことを英語ではコインと言いますが,世界各国で身近なお金として使われています.なぜお金には紙幣と硬貨があるかと …