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夏目漱石のこころ の冒頭部分を読んで思い出したこと,感じたこと

投稿日:2017-05-08 更新日:


私はその人を常に先生と呼んでいた.だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない.これは世間を憚かる遠慮というよりも,その方が私にとって自然だからである.私はその人の記憶を呼び起すごとに,すぐ「先生」といいたくなる.筆を執っても心持は同じ事である.よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない. こころ 夏目漱石

夏目漱石の先生の冒頭部分です.漱石に先生がいたのか,あるいは漱石自身が先生だったのかわかりません.でも,そういう経験があったからこそ文章が書けたのだなと推察します.ここで「先生」というのは人生において大きな影響を与えた人という事だと思います.社会の教育がシステム化すればするほど,教育における出会いは通り一遍となりがちで,学業においても進学は一定の資格を得たり就職の手段だけのものとなり勝ちです.

私にも先生がいました.大学卒業後も長いお付き合いをして頂きました.当時の自分と同じ考え方かという点においては違いがありましたが,私に欠けていた部分を日々の言動で示して頂き大きな気づきを与えられました.

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自分が当時先生のご意見,考え方をうかがって感じていたことは,もっと良い方法があるのではないか,もっと効率の良い方法をとったらどうかという今から思えば浅はかな考えでした.あれから数十年,年が経つに従ってその意味がだんだん分かって来るようになりました.

歳の差がある人生の大先輩にアドバイスして頂いたことは今から思えば数十年先の自分からのアドバイスでもあったのだなと思います.そして,今の私は年長者の側にあります.自分が感じることを若い人たちにアドバイスしても概ね理解できないとと思います.従って私の性分でもありますが,強いることは致しません.でも雑談する中で,もし数十年経ったときに覚えていたならば,ああそういう事だったのだなと気付いてくれることもあるかも知れません.

人は自分の意見や立場の違う人達を理解するのは困難です.ましてや長い時間を隔てていれば,「それは昔のことでしょ」という一言で片づけられてしまいます.でも長い時間を経て磨きあげられ,築きあげらてきた様式には理に適うところがあります.そして時間の経過にも耐えられる堅固な考え方でもあるのではと思います.

いまでも漱石の文章に人気があるのは時代を経ても古くならない定石のようなものがあるからではないでしょうか?そういうものを大切にしたいと思います.

先生の主題とはだいぶ異なるとは思いますが冒頭の部分から思い出したことを書いてみました.
私の先生はすでに他界されましたが,教えを受けられたことに心から感謝しています.

今日はこれまで.ではまた.

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