山河海空 地球を巡る水の旅

地球から日常生活まで,独自の視点で考える

花草木

アルカロイド alkaloidについて

投稿日:2018-07-21 更新日:

アルカロイドとは天然由来の有機化合物で窒素原子を含んでいる物質の総称です.ほとんどが塩基性です.アルカロイドの名前も,「アルカリのような」と言う意味からきました.

なぜここで取り上げたかと言うと,動植物が自ら作り出し,他の動植物にとって有害な化学物質である毒物の代表だからです.毒は使い方によって薬となりますので,古代から広く利用されてきました.生命活動とは切っても切り離せない関係にあります.

また,大雑把に見れば,アミノ酸,ペプチド,タンパク質,ヌクレオチド,核酸,アミンのような生物を構成している物質もアルカロイドと見なせます.また,メスカリン,セロトニン,ドーパミン等のアミンもアルカロイドの特別な形態と考えられます.そもそも生物が自らつくり出しているものだから,似ているのは当たり前と言えば当たり前です.

アルカロイドは約数千種ありますが,分類は明確ではありません.便宜的に以下の群に分けられることもあります.

真正アルカロイド
不完全アルカロイド
ポリアミンアルカロイド
ペプチドおよび環状ペプチドアルカロイド
偽アルカロイド

スポンサード リンク

アルカロイドは植物体内の各種アミノ酸から生合成されます.シュウ酸・リンゴ酸・クエン酸・酢酸・酒石酸などの有機酸の塩(例えば,クエン酸塩、リンゴ酸塩など)の状態で各々の体内に保持されています.それらが何らかの要因で分解,分離,もしくは抽出されてアルカロイドに変わります.

アルカロイドの既知の機能のほとんどは生体防御目的です.生物がいったいどうして毒で身を守る仕組みをつくりあげていったのか不思議です.

この生物毒を人類は薬としても利用してきました.

薬として使われるアルカロイド

アトロピン:ベラドンナなどのナス科植物に含まれる猛毒成分です.パーキンソン病,サリン,VXガス中毒の治療に使われます.

カフェイン:コーヒー豆,緑茶,紅茶,カカオに含まれます.中枢神経興奮作用があります.

キニーネ:キナの皮に含まれます.マラリアの特効薬として使われます.

コカイン:コカから抽出されます.中枢神経興奮作用があります.

コルヒチン:痛風の特効薬です.

ニコチン:タバコ草に含まれます.喫煙による摂取では人体への影響は弱いですが,依存症になる傾向があります.

モルヒネ:アヘンより抽出されるオピオイドです.中枢神経抑制や鎮痛効果があります.

毒を薬として利用してしまう人類は恐るべしですね.ところで,今日はコーヒー飲みました?お茶は?


身近に生えている危険な有毒植物TOP10

今日はこれまで.ではまた.

スポンサード リンク

-花草木
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

第5週の花草木 スイセン 水仙

スポンサード リンク 冬の花が少ない時期にずっと咲いているのがスイセンです.雪が降った後,散歩して見るとそのいくつかが雪のために倒れていました. 水仙はヒガンバナ科に属しています.二ホンズイセン,ラッ …

第9週の花 アザレア (西洋ツツジ,オランダツツジ)

アザレアは台湾のタイワンツツジのツツジなどがヨーロッパに渡って品種改良されました.日本へ入ったのは明治時代の初期です.西洋から来たツツジなので西洋ツツジともよばれます. 赤,桃色,紅紫色,白などの花が …

ランタナ

第41週の花 ランタナ 七変化(しちへんげ)

スポンサード リンク ランタナは6月頃から咲いていて,いつ週の花として取り上げるか迷っているうちにとうとう長い開花期も終わろうとしています.この花は一見アジサイかと思いますが,花の色が黄色,オレンジ, …

第18週の花草木 クレマチス

友人からクレマチスの開花写真を頂きました.白い花が見事です.蔓性植物の女王とも呼ばれるほど大輪の花を咲かせます. スポンサード リンク クレマチスというのは,センニンソウ属の蔓性多年草で花が大きく観賞 …

第8週の花 スイセン

冬の寒い時期でも咲いていたスイセンは白や黄の花を4月頃まで咲かせます. 原産地はイベリア半島(スペイン,ポルトガル)を中心とした地中海沿岸地域なのですが,耐寒性に強いのが特徴です. 漢字表記は「水仙」 …